同一労働同一賃金で気になる疑問と回答まとめ

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同一労働同一賃金は、すべての企業に適用される法律です。
厚生労働省にもガイドラインは書かれていますが、正直自分の会社はどうすればよいのかわからないという方もいるでしょう。
ここでは、そんな同一労働同一賃金の中でも特に多い疑問をまとめ、Q&A形式でお話しましょう。

疑問1:アルバイトの従業員の給料は絶対にあげなきゃいけないの?

多くの人が気になる点は、やはりここでしょう。
結論からいえば、必ずではありません。

同一労働同一賃金が適用されるのは同一労働同一賃金という名の通り「同じ労働」であるというのが条件です。
そのため、労働内容の実態が異なる場合は賃金の支払いを同一にしなくても問題ありません。

例えば、正社員の人の仕事が営業や書類作成、商品の品質管理や従業員のスケジュール管理などに対し、アルバイト社員の仕事が書類作成の補助や商品の検品、運搬などの場合、支払う給料は異なっても問題ありません。

よって、あなたの会社で正社員とアルバイトの仕事内容が全く違う場合は、支払う賃金を同一にする必要はないでしょう。
一部仕事内容が同じでも、責任能力が問われたり、貢献度に明確な違いがあったりすれば、問題ないです。

しかし、待遇差にはきちんとした合理的な説明が必要になることには注意しましょう。
不合理な理由で賃金や待遇の格差が生じている場合、同一労働同一賃金に抵触する可能性は高いです。

疑問2:同一労働同一賃金導入でなにか大きく変わるの?

実をいうと、同一労働同一賃金で大きく法律が変わるということはありません。
そもそも、同一労働同一賃金以外にもパートタイム労働法(正式名称:短時間労働者の雇用管理の改善などに関する法律)」と呼ばれる非正規雇用者のための法律はすでに昔から存在します。

パートタイム労働法の8条には「一定の短時間労働者に対する差別的扱いの禁止」という文言があり、賃金や待遇、福利厚生など短時間労働者であることを原因で差別的扱いをしてはいけないという法律は昔から存在します。

また9条には「事業主は、職務の内容、人材活用の仕組みや運用などが通常の労働者と同一のパートタイム労働者については、その同一である一定の期間、その通常の労働者と同一の方法により賃金を決定するように努めるものとする。」といった内容の文言が厚生労働省ホームページにて記載されています。

つまり、同一労働同一賃金のポイントである「非正規雇用者でも正規雇用者と同じ条件の仕事をしているなら待遇も同一視にすべし」という法律は、昔からあるのです。
今回の同一労働同一賃金はそれをさらに明文化し、非正規雇用者だけではなく年齢や国籍、性別などでも給与格差を作らないようにと説明するための法律なのです。

よって、会社の運営できちんと仕事の役割分担を行ない、給料も十分に考慮されて支払われている企業だと、同一労働同一賃金で発生する影響はほぼないといって良いでしょう。

疑問3:違反していた場合罰則はあるの?

もちろんあります。
しかし「現時点では同一労働同一賃金に」違反していたとしても、罰則はありません。
同一労働同一賃金の中には罰則の規定がないからです。
よって、違反していたとしてもペナルティが発生することはありません。

また、上記したようにパートタイム労働法にも明確な罰則はなく、6条の「「昇給の有無」、「退職手当の有無」、「賞与の有無」を文書の交付等により明示しなければならない。」という規則を破った場合に発生する罰金以外は特に書かれていません。

しかし、法律違反をしており、是正勧告にも応じなかった場合、その旨を公表される恐れがある他、従業員から訴えられる可能性があります。
その結果、会社の信用を失います。
したがって、同一労働同一賃金の規則はきちんと守りましょう。